重さをはかるとき、天秤皿に分銅をのせます。小学校の理科で習ったことがほとんどでしょう。今みたいに精密な機械がないときはよく分銅を使っていたものです。そのくらい便利で扱いが簡単でした。しかし扱い方に注意しないと分銅自体が使い物にならない場合があります。
安全性についてはまったく問題ないですが保管状況です。分銅は金属類ですので湿気があるところは錆やすくなり重さに誤差が生まれてきます。そうなれば役に立たなくなりますから注意が必要なのです。つまり錆びないようにするため乾燥剤と一緒に保管します。また手で使うと汗が付着して汚れや錆の原因にもなりますので素手でだめです。必ずピンセットを使いましょう。デリケートですので保管や取扱いには注意が必要なのです。室温で乾燥剤と一緒に保管すれば永久的に使うことが可能です。乾燥剤はお菓子の袋にあるものでもいいですし、市販のものでも大丈夫です。冷蔵庫でも保管はタブー視されています。
トレーサビリティ証明書と校正証明書、これらの証明書は品質管理の中では欠かすことができない存在といわれています。いずれも測定具に係る書類になりますが、トレーサビリティ証明書は検査に利用した標準器が、日本電気計器検定所などを通じて産業技術総合研究所のような国家標準機関に対してトレーサビリティが取れていることを証明するための書類、校正証明書は校正認定事業者が国に代わり分銅やおもりなどの校正を行ったことを意味する証明書です。
認定事業者は、通産省が前身となる独立行政法人の製品評価技術基盤機構が厳格な審査を行いそれに合格した事業者を意味するものです。なお、ISO-4000など取得されている工場も多くなっていますが、JCSS分銅の場合は校正認定事業者のみがマークを付与できる仕組みになっている関係からも、自社内でのISO・GMP・GLPなど、国家標準とのトレーサビリティ体系への構築が可能になるといわれています。